中医協委員をはじめ、40年以上にわたって歯科保険の第一線にかかわってきた著者だからこそ伝えられること

歯科診療報酬の論点

四六判・208頁・2色
定価 3,960円(本体3,600円+税10%)

歯科診療報酬の論点

齋藤 憲彬

  • 昭和27年 日本歯科医学専門学校(現・日本歯科大学)卒業
    昭和41年 斉藤歯科医院を開設し現在に至る
    昭和58年 東京都知事表彰(保健衛生功労)
    昭和60年 厚生大臣表彰(保健衛生功労)
    昭和62年 厚生大臣表彰(健康保険事業の発展に貢献)
    平成 元年 藍綬褒章受章
    平成12年 日本歯科医師会会員有功章受章
    平成21年 旭日小綬章受章
  • 《官公庁関係歴》
    昭和47年 国民健康保険団体連合会診療報酬審査委員(4年)
    昭和50年 国保連合会運営協議会委員(15年)
    昭和52年 東京都支払基金診療報酬審査委員(13年)
    平成 3 年 中央社会保険医療協議会委員に委嘱(平成12年3月まで)
  • 《民間関係歴》
    昭和47年 社団法人日本歯科医師会疑義解釈委員会委員(16年)
    昭和49年 社団法人日本歯科医師会社会保険委員会委員(15年)
    昭和50年 社団法人東京都歯科医師会理事(14年)
    平成14年 日本歯科大学客員教授

中医協の歯科側委員としての経験から、今に繋がる論点を解説

著者の中医協委員時代から今日に至る、歯科における診療報酬の諸問題の経過、さらには診療報酬が決定されていく過程の議論のポイントを分かりやすく解説する。今後、歯科診療報酬のあり方を検討する上で押さえておくべき勘所を書き下ろした必読の書。

目次

  • なぜ医科・歯科間に大きな経済格差が生まれたのか
  • 初再診料を医科と同額にする戦略は不利
  • 補綴物維持管理料の成り立ち
  • 歯周疾患治療の体系の見直しと評価
  • 金銀パラジウム合金随時改定への歩み
  • 「かかりつけ歯科医初再診料」提案の発火点と終焉 そして、現在に残る禍根
  • 保険外併用療養費制度について

書評

診療報酬改定の真髄を知った

高橋 英登

日本歯科医師連盟 会長

東京都 医療法人社団慧医会 井荻歯科医院 院長

現時点での我が国の医師数は約33万人、歯科医師数は約11万人。
それなのに総医療費(2020年)約45兆円のうち歯科には3兆円、6.8%しか来ていない!!これってなんでなのだろう?

医科には内科・外科・小児科・耳鼻咽喉科・皮膚科・精神科等々診療形態が全く違う幾多の科があっても初再診料はすべて同一。
医科と歯科では初診料で270円、再診料で200円といった厳然とした差違が存在している(令和2年度改定時点)。
(以前は同一だった時代があったのに…)なぜまた差違を生じる事になってしまったのか…。

昔は存在していなかったけれど…考えてみると理にかなっている補綴物に対する維持管理料ってどうやって導入されたの?支払側はよく納得したね!!

ベテランの先生方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、歯槽膿漏症治療のPⅠ型、PⅡ型…今や、全身疾患に大きく影響する事は周知の事実となっている歯周病の治療が紆余曲折を経て、いかにして現在の姿になっていったのか…。

現在も未解決どころか、歯科界を悩ます大問題になっている「金銀パラジウム合金」がどのように歯冠修復材料として導入され、乱高下する投機金属故に困難極まるその公定価格の改定がどのように行われてきたのか…(なんで金パラを使って歯冠修復をするたびに赤字を被らなくちゃならないんだ!!)

 我々、開業歯科医にとって最も興味がある医院経営の柱である診療報酬。その我々には計り知れない診療報酬改定作業の「闇?」はマズイ、「謎?」もどうかな…「裏側?」もちょっとなぁ…。そうだ「真相」だ!
 その「真相」について、これほどリアルに赤裸々に語れる人は「齋藤憲彬」しかいない!!
 えっ!!こうなっていたんだ!!あっ!!そうだったんだ!!…と『目から鱗』の記載満載である。

 私は現在、診療報酬改定時にはその改定原資とも言える財源を確保する、日本歯科医師連盟という仕事に関与しており、今回(令和4年度)の改定でも目指した「初再診料の医科歯科格差の是正」という命題に対し、十分な成果を上げる事が叶わず意気消沈していた中で、この齋藤論文に接し、自分の考え方の浅はかさに大いに反省させられた。
 「歯科診療報酬改定」の「生き字引」である齋藤憲彬先生からは、まだまだ学び取るべき点が多々ある事を実感した。著者渾身の「後輩歯科医師への指導書」である。

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