病院医療情報システム(HIS)連携版 歯科電子カルテシステムWith

導入事例

川島ホスピタルグループ社会医療法人川島会
川島病院 様

川島ホスピタルグループ 社会医療法人川島会 川島病院 様

『歯科カルテシステムWith』導入によって、1患者1カルテを実現。歯科に受診される有病者の
診療情報共有が容易となり、予約や会計の手間も大きく軽減しました。

歯科医長 川島 友一郎様、医療事務の今井 由紀様と武藤 真奈様、そしてIT主任 藤田 諭様に、
『歯科カルテシステムWith』の導入経緯やその使い勝手などについて詳しく伺いました。

治療・予約・会計の度に医科のカルテを参照する手間からの解消が課題

歯科医長 川島 友一郎様

歯科医長 川島 友一郎様

『歯科カルテシステムWith』導入前に抱えていた課題をお聞かせください。

最も大きな課題は、医科と歯科で別のシステムを使っていた事です。歯科が2008年に開設した時に、医科に導入されていた当時の電子カルテシステムには歯科のシステムがなく、また外部との連携機能も搭載されていませんでした。そのため独立した歯科用のレセコンを入れて、患者さんの管理や会計を行う事になりました。しかし実際に運用してみたところ、同じ病院内で複数のシステムを使う事には大変な労力が必要だったのです。
当院は透析の患者さんが多い事もあって、歯科にも透析患者さんがたくさんいらっしゃいます。そうした場合、いわゆる有病者歯科治療を行う必要があるのですが、歯科のシステムからは該当する患者さんの疾患や治療内容などを確認する事が出来ないのです。そのため2台の端末の間を行ったり来たりしながら、データを確認しなければなりませんでした。加えて予約でも会計でも、医科の情報は必要となってくるため、その確認に大きな労力と時間が掛かってしまっていたのです。確認ミスやトラブルが発生してしまう可能性も高くなっていました。
また患者さん側にも、医科と歯科で会計を別に行う必要があったり、何度も保険証を提出しなければならないなど、ご不便を掛けてしまっていました。
こうした課題をなんとか解消したい。そう考えるようになったある日、2021年8月に川島病院の移転が決定したと知り、医科と歯科の電子カルテシステムの連携を具体的に進めるべく動き出す事にしたのです。

導入決定から運用まではカスタマイズも含めてスムーズに進行

『歯科カルテシステムWith』導入に至った経緯を教えてください。

歯科としては、2021年の移転に合わせて、医科との連携は絶対に実現させたい事でした。ただ医科側からは、問題なく動いている電子カルテシステムに、コストを掛けて手を加える事に対して、疑問視する声、反対の声が挙がっていました。そのため導入までには紆余曲折ありましたが、IT部門の力も借りながら、根気強く経営陣や医科の先生方への説得を重ねる事で、なんとか了解を得ました。スムーズに理解が得られなかったのは、日頃から必要性についての情報発信が出来ていなかった歯科側の反省点だと感じています。
同時にシステムの選定も行いました。当時使っていたレセコンのメーカーや他のメーカーに良いものがないか聞いてみたり、デンタルショーなどのイベントに参加して、いくつかのメーカーと交流する中で出会ったのがメディアでした。そして、医科の電子カルテとの連携において、機能面で歯科の要望をすべて叶えてくれる点、また営業担当の方から熱意を感じた点から、メディアのWithを使わせていただく運びとなりました。
Withの先行ユーザーの病院様をご紹介いただいたうえ、見学の段取りまで組んでいただけたのも、導入の後押しになってくれました。新築・移転された病院で、かつ医科と共に歯科が存在しているという、当院と非常に似た環境にあったため、システム面だけでなく、導線や診療室の使い方なども大変参考になりました。

『歯科カルテシステムWith』導入決定から運用にあたって、川島病院としてはどのような事をされたのでしょうか?

ワーキンググループを立ち上げてマスタなどの仕様検討を行ったのと、運用1ヶ月前に操作練習を行ったくらいです。導入そのものに関して大変だった事は、ほぼありませんでしたね。新病院にテスト環境を作るのは難しいという事もあり、特別に練習用端末をお借り出来たのは助かりました。お陰でWithを使った実務をスムーズに始められました。
運用がスタートしてからも、1週間くらいは細かくやり取りさせていただいて、インターフェイスや機能などのカスタマイズに対応してもらいました。

『歯科カルテシステムWith』導入で手間やトラブルのリスクが大幅に軽減

IT主任 藤田 諭様

IT主任 藤田 諭様

『歯科カルテシステムWith』の導入効果をお聞かせください。
<1患者1カルテの実現>

最も大きな導入効果は、そもそもの導入の目的だった、医科の電子カルテシステムとの連携による1患者1カルテを実現出来た事です。お陰でこれまで苦労していた、患者さんの医科のカルテの確認を、タブを切り替えるだけで簡単に出来るようになりました。
透析が必要だったり糖尿病だったり、疾患をお持ちの患者さんは、歯科で治療する際にいくつも注意するべき点があります。そうした注意点の確認がひとつの画面で出来るため、手間も時間も大きく短縮出来たという実感があります。

<予約・会計の一本化>

予約や会計も、システムが連携された事でやりやすくなりました。例えばこれまでは、複数の診療科をまたいだ診察が必要な場合、ふたつのシステムを両方確認しながらお互いに齟齬がないように予約を取る必要がありました。同時に患者さんにも、歯科だけ手書きの予約表を渡すなど、お手間を掛けさせてしまっていました。
また、その予約を取り消すとなった際も、医科にしか連絡が行かないため、歯科側は予約が取り消されていないかを随時確認する必要がありました。それが今では、余計な手間なく予約やその取り消しの確認が出来るようになったので、非常に作業が楽になりました。ミスやトラブルの可能性も減ったと感じています。

<入院患者にも対応>

Withの導入によって、入院患者の扱いも比較的簡単になりました。以前のレセコンには入院患者を扱う機能がなかったため、入院となった際には、束になるほど大量の書類を手書きで作成しなければなりませんでした。それがWith上で簡単に進められるようになったのは、大きな利点です。

<リモート対応機能>

なにか不具合やトラブルが発生した際、リモートで解決してくれる点も、導入してありがたかった事です。簡単なトラブルなら営業時間にサッと解決してくれます。
点数や薬剤期限などの変更の度に必要となるシステムの更新も、メディアがリモートで行ってくれるので助かっています。それまで行っていた、営業時間外にメーカーから届いたCD-ROMを使い、何時間も掛けてマニュアルを見ながらインストールするという作業は、いつもかなり面倒だったので、なくなってホッとしています。

メディアそのものの評価についてもお聞かせください。

非常に満足しています。導入前から見学可能な病院をご紹介くださるなど、手厚くサポートしていただいた上、運用を開始してからもなにかあれば常に手助けしていただけています。コールセンターに電話すれば、いつでも質問に答えてくださいますし、トラブルの際もリモートにも対応しているのでスピーディーに対応してくれます。実は今日も、このインタビューの前に一度コールセンターに電話して、やり取りさせていただいたんですよ。この対応力の高さは、メディアとお付き合いして感じている大きなメリットのひとつです。

医科と歯科の電子カルテの連携はスムーズな業務に必要不可欠

医療事務 武藤 真奈様(写真左)、医療事務 今井 由紀様(写真右)

医療事務 武藤 真奈様(写真左)、医療事務 今井 由紀様(写真右)

医科の電子カルテシステムとの連携を検討している病院歯科に向けて、『歯科カルテシステムWith』の先行ユーザーとして一言お願いします。

病院内に歯科を持ちながら、医科と歯科の電子カルテが連携していないと、先にもお伝えした有病者歯科治療を行う際や、予約、会計などで困っている事がたくさんあるのではないでしょうか。川島病院ではWithを導入して、その困っている事のほとんどを解消出来ました。また、メディアにご紹介いただいた病院様も含め、いくつかの病院を見学してきて感じた事は、1患者1カルテを実現出来ている病院は、そうでない病院に比べて業務をよりスムーズになしているという事です。連携にはコストも掛かりますし、別診療科の理解を得るのは大変な部分もあるかと思いますが、患者さんにとっても大きなメリットがある事ですから、ぜひ導入を前向きに進めていただければと思います。

『歯科カルテシステムWith』導入効果で医科とのさらなる連携や入院治療の推進に期待

診察室内の端末でWithを操作する川島様

診察室内の端末でWithを操作する川島様

最後に今後の展望についてお聞かせください。

Withを導入したからには、まずなにより患者さんの数を減らさないようにしなければという思いがありました。ただ現状その点に関しては、右肩上がりで患者さんの数は増えており、ありがたい事に予約も取りにくい状態となっています。医科と歯科で患者さんを紹介し合う機会も増えており、新病院になった事、Withを導入した事による相乗効果を実感しています。
内部的な事を言えば、歯科のスタッフをもっと増やしたいですね。まだ院内でWithを使いこなせる人はごくわずかしかいないので、もっと使えるスタッフを育てて、歯科の規模と存在感を大きく出来ればと考えています。特に、Withを導入したからこそ簡単に出来るようになった歯科での入院治療は、さらに推進していきたいと思っています。
Withの運用開始からまだ3カ月しか経っておらず、以前のレセコンのデータを完全に持って来れてはいないのですが、それでもたくさんのメリットを得られました。今後データの移行が終わったらどうなるのか、効果を検証するのが今から楽しみです。

お客様プロフィール

川島ホスピタルグループ社会医療法人川島会
川島病院 様
社会福祉法人 恩賜財団 済生会支部東京都済生会 東京都済生会中央病院 様
所在地
〒770-0011 徳島県徳島市北佐古一番町6-1
許可病床数
123床
常勤職員数
548名
URL
診療科名
腎臓内科(人工透析・腎移植)、糖尿病内科、循環器内科、循環器外科、泌尿器科、内科・血液内科、皮膚科、整形外科、脳神経外科、放射線科、歯科、歯科口腔外科
1963年に徳島県にて設立され、1976年には透析室を開設。以来、"蛋白尿から腎移植まで"をモットーに腎不全治療をメインに据えた専門病院として、地元に密着した運営を行ってきた。その後、合併症などにも対応するべく循環器科、糖尿病内科、泌尿器科など、治療科の拡充を続け、2008年には歯科も開設。現在では川島病院の他、6つのサテライト透析室を備えた、徳島県有数の病院へと成長した。
2021年8月には北佐古に新設された新病院へと移転。その特徴は、地震に強い免震構造と浸水対策が行われた階層構成。災害時も変わらぬ医療を施せる施設として、利用患者に高い安心と安全を提供し続けている。

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